新三大『蝋人形の館』

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お前も蝋人形にしてやろうかッッ!!!!



期間限定開催であったマダム・タッソー蝋人形館が2013年3月に常設展示としてお台場にオープンし人気観光地の地位を確かにしていることで、蝋人形のコンテンツ力(こんてんつ-りょく)に信頼感が浸透してきた昨今。

その一方で、同年9月には東京タワーの蝋人形館が43年の歴史に幕を下ろす(展示の一部は六本木ロック博物館『TOKYO ROCK SHOWCASE』に引継ぎ)など、老朽化をはじめとした理由により閉鎖・閉館や規模の縮小が相次ぎ、昭和ノスタルジーの香り残る日本の蝋人形の文化は廃れはじめていると言っても過言ではない。



だけど悲しんでばかり居られない!!!!

アタシは今に生きる!!!!

全国津々浦々、蝋とは思えぬ「堅固さ」「しぶとさ」「タフネスさ」を備えた、現在まで時代の趨勢に翻弄されぬ蝋人形の館を三つほど紹介。






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那須与一が扇を射抜いた説話でお馴染みの「屋島の戦い」にほど近い高松に位置する、平家物語の名場面を蝋人形で再現したパワフルな蝋人形館。国内最大規模の300体超の蝋人形の展示があります。平家物語歴史館と銘打っているものの、最初の展示スペースでは坂本龍馬正岡子規といった「四国の偉人」の蝋人形が。

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見慣れない正面からの正岡子規を見れるのも、蝋人形という立体造形ならでは。







  • ・熱海秘宝館(静岡県)
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言わずと知れた、18禁のエロの博物館。
出来ることなら独立した「三大秘宝館」として紹介したかったものの、ピーク時の1980年台には全国で50ほどあった秘宝館は、21世紀に入り徐々に減少。そして、2014年3月末に「嬉野武雄秘宝館(佐賀県)」が、同年12月末には「鬼怒川秘宝殿(栃木県)」が相次いで閉館したことにより、残る秘宝館は「熱海秘宝館」ただ一つとなってしまいました。

そんな熱海秘宝館の魅力、「エロ」はモチロンのこと、体験型であるという点。
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例として。
ハンドルを回すとマリリン・モンローの蝋人形の下から風が吹き、映画『七年目の浮気』の有名なシーンが再現されるのですが……。

ちなみに、何故か大体の秘宝館にはマリリン・モンローをモチーフとした展示がありました。

また、熱海秘宝館の蝋人形は映画の東宝の美術部による制作であるため、その精度や魅力はお墨付きであります。




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江戸後期としては世界最大規模であり、当時の日本の貿易を支えていた金山跡を史跡として保存すると同時に、観光地として蝋人形で当時の様子を再現しています。
罪人や浮浪者を強制的に働かせていた経緯があるため、蝋人形も非常にグランジな風合いになっていてグッときます。

また一部の蝋人形はツルハシを振るうなどの「動く蝋人形」となっており、とてもエキサイティング!!

そんな可動の仕掛けがある蝋人形の中の1体だけ、ある秘密があります……。

史跡佐渡金山は、かつてジェンキンスさんが勤めていたことでも有名。




※お得情報……

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デーモン閣下(BC98038〜、2010年に「デーモン小暮閣下」から改名)は、聖飢魔IIでのバンド活動の時は目の上が青く、ソロ活動の時は赤くなる。



ドラゴン分類学


  • ドラゴン……四脚二翼(六肢)
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生命の有史以来、脊椎動物において四肢を超える生物は居ない。また、多くの場合、二翼の付け根は前脚の肩甲骨近くで描かれるが、片側の肩から二肢が繋がっていることは関節としての構造上難しい。

例)トビトカゲ(現代、東南アジアに広く分布)
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脊椎動物で唯一、四肢と独立し肋骨を広げた翼を持つ。畳んだり広げたりは出来るものの、滑空用の翼であり羽ばたくことは出来ない。



四肢。翼を持たない。毒を持つが、火を吐かない。


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ある。

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火を吐かない。皮膜状の翼を持つ。後脚は細く短く、歩行に適した構造をしていない。


例) 鳥
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火を吐かない。




DJ恐竜

ヘラクレイトス、アリストテレス、庵野秀明

ヘラクレイトスf:id:ch1sh1k1:20150209135748j:plain

  • 紀元前535〜475年
  • 火を始原(=アルケー)
  • 万物流転説 Πάντα ρεΐ
  • 著作: 『万有について』『政治について』『神学について』?(原典は現存せず)

・著述の特徴…抽象的表現による詩作に近い文章。意図的に解釈を必要とする表現を用いており、自説の権威付けとして取り込みやすい。文章表現は(デルフォイの)神託に近似する。


つまり……


読みにくい!!!!


アリストテレスf:id:ch1sh1k1:20150209142126j:plain

後世のかの有名な哲学者アリストテレスをして、

一般に、書かれたものは読み易く、分かり易くなければならない。ただし、この読み易さと分かり易さは同じことである。この容易さは、多くの接続詞を使えば得られる。また、ヘラクレイトスの書いたもののように、句読を切るのが単純で無い文章の得られる物ではない。事実、ある語句が、後ろに付いているのか、それとも前のものに付いているのかが不明瞭なために、ヘラクレイトスの文章の句読を切るのは大変である。たとえば、彼の書物の冒頭もそうである。彼が言うには「常にあるロゴス(λόγος)について人々は無理解のままに留まる」が「常に」はどちらに付けて句読を切るべきかは明らかではない。ーーー『弁論術』第3巻 第5章

要するに

「読みにくい!!!!クッソ〜〜〜」

と言わしめています。




表現技法として……

ヘラクレイトスの用いた「神託のような」「簡潔」で「解釈を要する」表現技法は、権威付けに効果的であると同時に、ごく自然に解釈の多様性を生み出す。



エヴァンゲリオンの極端に説明を排除した叙述は、ヘラクレイトスに端を発する「アリストテレスも怒る」表現の最たる例である。

少なくとも、物語の創作として、ここまで便利な方法は無い。しかし、ともすれば紀元前より脈々と受け継がれて来た「鼻につくあざとさ」に勘付いてしまったが最後、チープな表出に他ならなくなってしまう……。



コラーーッ!!!!!!

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あっ!説明先生だ!!

「説明が無い」匂いを嗅ぎつけて飛んで来たぞ!!!!


説明先生はどんな飲みの席でも「魔法少女まどか☆マギカ」を説明してしまう危険な先生なんだ!!!!!!




逃げろ〜〜〜〜〜




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ドカーーーーーン!!!!!!!!!!!!!









DJ恐竜

野田秀樹について

野田秀樹って誰。

1960年代に起きたアングラ演劇ブームの後、80年代から勃興した小劇場ブームで一躍有名になった俳優・劇作家・演出家。三谷幸喜
76年に劇団夢の遊眠社を設立、82年に解散。
92年に野田地図(NODA MAP)を設立。堤真一など著名な俳優を起用するように。

○野田作品の特徴

大きな特徴としてあげられるのは3つ。

  1. 素早い演劇
  2. 言葉遊び
  3. 詩に近いセリフ回し

 1970~80年代の日本は“消費社会”と形容するにふさわしい社会状態でありました。そのような中で、散弾銃のように飛び交うセリフ、役者たちのダイナミックな動き、素人目で見ても「早い」と感じる野田作品は、時代にマッチしていると考えられます。

また、劇中ではわざとらしく韻を踏んだり、掛詞のごとく言葉を重ねあわせています。時折客席から笑い声が聞こえてきますね。

そして最も重要なのが詩に近いセリフ回し。野田の演劇観は「演劇は詩と肉体の交点から生まれる」たるもので、舞台上で躍動する肉体と共に、詩のようなセリフ回しが彼の根幹にあるのでしょう。

○作品紹介 

今回は夢の遊眠社時代の作品、『ゼンダ城の虜』(1981)を取り上げて解説します。

 ゼンダの森の「居留守の館」の門をへだてて、十三世紀と二十世紀の世紀末の物語が同時進行する。 門に入ろうとする赤頭巾少年。少年十字軍はなぜ消えたのか。城の中のフラビア姫は両性具有なのか。 皮膚呼吸をし、退化を始める少年たち。夢の遊眠社屈指の名作。

 作中で行われるギミックとして挙げられるのが、13Cのフランス(マルセイユ)での少年十字軍と、現代の日本を行き来させている箇所です。この時空移動を説得づけるために舞台上で用意したのが、「デパートのエレベーター」と「デパートの屋上」の2つになります。

  • デパートのエレベーター
    →階ごとに違う世界を見せている。時空を移動する手段。
  • デパートの屋上
    →覗きからくりを使う赤頭巾少年。空想世界が“見える”ことで、現実と物語が双方向であることを示している。

また、この作品では「アダムとイブ」やキリスト教の考えや、人間の進化/退化という二項対立を用いて、神話・少年性・ロマンティズムを追い求めています。何というか、個人的にはゲームのRPGの物語などを想起させられます。

アングラ演劇は、起承転結がはっきりと存在しておらず、内容の説明や批評が困難である演劇を指します。夢の遊眠社時代の野田作品は「勢い」と「ロマンティズムの普遍性」を持ち、一度見ただけでは理解が難しいものだと感じます。れっきとしたアングラ演劇ではないでしょうか。

○NODA MAPでは

その後、NODA MAPという演劇ユニットを設立します。これ以後社会性の強い作品を作るようになりました。

『キル』(1994)ではチンギス・ハーンの世界征服と現代のファッション戦争を掛け合わせた作品を作り上げます。(斬る≒着る≒Kill)、(ファシズム≒ファッション)など、数々のダブルミーニングを探すことが出来ます。

その他にも『オイル』(2003)では中東の石油戦争を、『ザ・キャラクター』(2011)では新興宗教について。夢の遊眠社時代とは異なり、商業演劇に移って以後は非常に分かりやすく、かつインパクトのある作品を生み出し続けています。

○その他リンク

ありがたいことに、ニコニコ動画に相当数の野田作品がアップされています。

興味があればどうぞ。

http://www.nicovideo.jp/user/12624953/mylist(夢の遊眠社時代の作品)

*参考文献 扇田明彦 『日本の現代演劇』(1995) 岩波新書

遠藤が負ける理由

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日本人力士のホープとして大相撲界で一、二を争う人気の遠藤。
しかし大きく期待されている一方、2015年一月場所までの入幕以降8場所での幕内成績は、60勝59敗1休と全くのイーブン。なかなか優勝争いに関わってくる機会も少ないのが事実である。


  • 相撲の懸賞システムと、人気力士であるが故のジレンマ
f:id:ch1sh1k1:20150129235952j:plain※懸賞垂れ幕

幕内以上の人気の取組には、企業からの広告として懸賞が付くことがある。
懸賞は垂れ幕1つにつき6万2000円(場内アナウンスが付き)であり、日本相撲協会の事務費として5300円が引かれ、取組の「勝ち力士」には内5万6700円が渡る。一方、負け力士は懸賞を「一銭も」もらうことが出来ない。

懸賞は取組に付くものではあるものの、人気の力士の取組となれば取組自体の注目度も集まり懸賞が多くつく。勝ち力士が総取りであるため、遠藤をはじめとした人気力士と当たった相手からすれば(常に勝ちに全力であるとは言え)勝つモチベーションをさらに上げるべき取組となってしまうのである。

遠藤の取組には平均すると、平幕力士(前頭)としては異例の8〜10ほどの懸賞がつく。そのため、遠藤は勿論、相手もまた遠藤との取組に一勝するだけで50万円近く手にすることが出来ることなる。

特に、場所も後半にさしかかった中で人気力士の成績が良いと、取組1つ1つが優勝争いに関わってくるために更に取組の注目度が上がり、多くの懸賞がつく。前半調子が良くても、より闘志を燃やした相手と戦わなければならず、やりにくい上に出鼻をくじかれる可能性のジレンマを抱えるのである……。


DJ恐竜